混乱の時代と音楽家たち

毎週金曜日は各音楽系サブスクリプション上での「新譜チェックの日」と決まっていますが、特にこの2週間の世界各国の新譜には翳りが見えるように思えて仕方がありません。

全体的に見てフルアルバム形式の配信が少なくなっており、EPないしはシングル曲で配信の頻度を上げている音楽家が目立っています。
長期的な制作時間を要するアルバムで配信の頻度を下げるよりも、毎月1曲ないしは2曲、人によっては毎週1曲ずつ楽曲を更新しているケースも頻繁に見られ、それだけ多くのミュージシャンや表現者たちが将来的な不安を感じているのではないかと言う、これはひとえに表現者等のメンタル面の不穏が強く露呈した形とも言えるかもしれません。

確かに私自身、手の負傷の長期化も原因しているとは言え、コロナ禍から戦争、異常気象等のニュースと常に接しているがゆえに、流石に長期的なスパンで音楽を創る環境にはないと言うことを痛感しています。
かと言って日和見的に単曲を更新して行こう等とは思っていないとしても、そう言う活動形態に陥ってしまう表現者等の心情は重々理解することが出来ます。
 

ここで重要なことは、各表現者が何を生み出そうとしているのか、という点だと言えるでしょう。
作品を生み出そうとしているのか、それとも商品を量産してお金に替えることを重視しているのか‥等。

これはあくまで主観ですが、特にヨーロッパを中心とする一部の音楽家の中に「ロング・Covid」の傾向を感じます。常に倦怠感に見舞われ、踏ん張りが効かなくなっているような、そんな印象を楽曲の中からも強く感じています。
 

特に新型コロナワクチンの接種に於いて、私は「反対」あるいは否定的な意見を持っています。
そもそも現在は未だ治験中のワクチンを無責任に接種させる世の抑圧の傾向に問題がありますが、その流れに逆らうことの出来ない社会的弱者が音楽家や芸能関係者等に多いことも又要因の一つなのでしょう。

結局世の流れの負を請け負うのは、きまってこういう社会的弱者たちなのです。
 

 
主にSpotifyを利用しながら毎週末、私はメインのプレイリスト+αの複数のプレイリストを更新しています。
メインのプレイリストではジャンル不問で多くのその季節の新譜を中心に、ざっくりとジャンル紹介も兼ねてスクラップしています。その他はジャンル別に、そのプレイリストのテーマに応じてさらに細かくスクラップしています。
 

今週は各新譜の単曲が全部で170曲余あり、その中でアルバム配信されているものを全てチェックして行くので、合計2,000曲近くを一日の半分を使って聴き込んで行ったことになります。
特に現在は、Spotifyを初めApple MusicとAmazon Musicの3つのサブスクリプションを同時並行的に動かしている為、今日は7時間近くの時間を費やして新譜のチェックをしたことになります。
 

 

今週の更新は、[M-94 “Nada” – Monsieur Periné] からになります。
普段は比較的陽気な楽曲を配信している Monsieur Periné が、今回は喪失感を強く表現したネガティブな新曲を出していますが、これが彼らにとっては珍しく大曲となっている辺りに時代の陰を感じずにはいられません。
必聴です。
 

 

※余談ですが、ここのところnoteから配信している音楽評論記事が立て続けに、note公式のマガジンにスクラップされています。

https://note.com/note_entertain/m/m483015f01945

 
これまでは比較的レアな楽曲を紹介する為に綴って来た音楽評論ですが、やはり私も人間ですし食べて行かなければなりません。その為には多くの読者やファンを、私の記事に集めて行く必要も感じています。
 
コンテンツの質の向上も目指しており、ここからは題材素材を吟味しながら多くの読者にヒットし得る執筆についても考えながら、各記事を更新して行きたいと思っております。
その為、記事と記事の配信の間が若干空くことにもなりますが、その分内容をギュっと凝縮しながら執筆して行きたいと心しているところです。
 
何卒記事をご拝読の折には是非、note記事からサポート等(投げ銭)で応援頂ければありがたいです。
よろしくお願い致します。

https://note.com/didiermerah
 

 

内容を限定し、お仕事の依頼を受け付けております。
音楽配信を目的とした楽曲作成のオーダーの他、音楽評論、レビュー or ライナーノート執筆、ラジオ番組用のBGM選曲、雑誌連載執筆及びYouTube出演や対談等、諸々用件・案件は、Twitter のDMないしは 📨[info@didier-merah.jp] ⇦ までお寄せ下さい。

音楽評論に関しては、世界中(演歌とヘヴィメタル以外)の音楽を分析・検証し、語り尽くします。
オーダーを遥かに上回るクールで奇想天外な記事を、筆者の豊富な脳内データから導き出して綴ります!

プレイリストを作ると言う作業

当面怪我の治療の為アウトプットを無期限で休止し、現在はインプットと言う名のアウトプットに集中している。
自身の音楽を送り届けるにとどまらず、他のアーティストの音楽を心地好く並べて数多くの「プレイリスト」をSpotifyの中に作り込み、それを一個の作品や番組のようにして世界に解き放つ作業はどこか、子育てにも似ている。

 

15歳の半ばに芸能界と言う荒々しい世界に飛び込んだ。さながら高層ビルから果てしなく長い地上までの旅に出る時の恐怖に似たものがあったが、その先にはただただ目映い輝きに満ちた世界を私は見ていた。
じきにそれが単なる幻想だったことに気が付くが、それまでの時間はまるで怪しい飲み物を呑んでほろ酔いした時のあの感覚に似て、夢はキラキラと眩しく回転して行った。

 

伴奏業と言う裏方の世界に埋没する片方で私は、裏方として芸能界のど真ん中に大型ドリルのように回りながら突き進んで行った。
衣装選びや多数のアイドルのシングル曲のデモテープ選びに始まり、コーヒーを買いに行ったりその日の収支報告書を作ったり、歌手がレコーディングの合間に摂るラーメンの出前を注文したり、頼まれれば何でもやった。

何をやってもむしろ楽しかった。だって依頼主は有名歌手や有名なアイドルだったりするのだから、そんな彼等の日常生活の片隅に居られるだけで私は本当に幸せだったから。

 

 

最近になって、古い知人からあらためて「芸能界の裏方」の仕事のお誘いが舞い込むようになった。よくよく話しを聞いてみると、当時は当たり前のように実在していた「デキる裏方」が居なくなったのだと言う。
私はどうやら彼等が言うところの「デキる裏方」の一人に、何となくラインナップされているらしい。

だが、私はそれらのオーダーへは全て、お断りを入れている。なぜならば私はもう、裏方ではなくソリストとして、唯一無二の道を歩んでいるからだ。

 

そもそも私の本職は「芸術家」「作曲家」である。
当時シャンソンやカンツォーネ、タンゴやサルサのピアノ伴奏やライブ用のアレンジ業に携わっていた頃の私は言わば「世を忍ぶ仮の姿」であり、当時のどの職歴を摘まみ上げてもそれらは私の本性でも何でもない。
そのことに最近になって気付いた人たちが多いらしく、中途半端な詫びを入れながら「ギョーカイ」の仕事と言う彼等にとっては美味しい餌をチラチラさせながら、私の頭上にプラチナの糸を垂らして来る。
 

正直お腹いっぱいだ。なので話しの中身を訊かずに門前払いを喰らわせるが、敵もなかなかしぶといし、しつこい(笑)。
何れにせよ私には「裏方」になる気は全くないので、最近は届いたメッセージに返信すらしないで放置するようになった。

 

世界中の音楽を聴いていると、今どこにスポットが当たっているか‥ 等つぶさに分かる。これは「世界中の音楽を理論解析出来るスキル」が無ければ分からないことであり、おそらく多勢の音楽ジャンルを各々専門的に分析し続けて来た私以外に、このスキルを持つ人材は居ないだろう。
自身が作曲家であると同時に、私自身が既に音の博物館なのだ。
 

そんな「歩く博物館」がシーズン毎のプレイリストを作ると、物凄い数の音楽の分量と物凄い数のジャンルが当たり前のように乱立するチャンネルが完成する。
既に私のSpotifyアカウントをフォローしている方はご存じのように、どれ一つとしてハズレのプレイリストが無いのはなぜか‥ と言う疑問すら湧かない程、「Didier Merah博物館」は日進月歩で拡張・膨張し続けている。

 

プレイリストを一個作ると言う作業に、私は兎に角子供の頃の部活のようなトキメキを感じている。
毎週末にSpotifyには新譜が到着し、新譜たちは私の試聴の時を待っている。大体週末になると一気に200曲近くの新譜が私のチャンネル (Release Rader) に勢揃いし、私はそのすべての楽曲を漏らすことなくチェックして行く。

ざっとイントロからAメロ~Bメロ~サビから間奏へと斜め聴きするに必要なタイムが30秒から60秒、そこからリフレインを確認するのに大体一曲多くても90秒で仕事が進む。
気に入った曲はそこで一旦メモに保存し、後からフルサイズで再度試聴する。

 

各々のアーティストやミュージシャンの「現在」を知ることが出来るだけでなく、時代の全体図が新着の音楽から読み解くことが出来る。言わば「音楽科学」に似た構図が私の中に拡がって行くが、あえてそこは学術的には処理しないでおく。
音楽を聴く時には、極力屁理屈屋にならないよう気を付けている。理論武装は後からいつでも出来るから、せめて音楽自体に触れている時はいちリスナーに徹して、心ゆくまで音楽に深く心身を浸して居たいのだ。

 
最近作成中のプレイリストが複数あるが、その中でもオススメは以下の2つ。
是非フォローして聴いて頂けたら幸いである。

 

 

音楽の日 – Day of Music

毎週金曜日は私にとっての「音楽の日」。その月その週の世界の音楽の新譜を粛々とチェックして行く。その中で気になる曲をストックし、プレイリストへと突っ込んで行く。
私にとって趣味であり、仕事でもあるこの作業をもうかれこれ数十年、私は止めることなく続けている。

さしずめ頭の体操でもあり、しいては比較音楽学のベーシックともなる知識を収集する時間でもあり、私にとってこれ程趣味と仕事を程好く兼ねた作業は無いだろう。

気質的には排他的な感性を持つ私だが、音楽だけは例外だ(笑)。如何なる国、如何なる民族、如何なるジャンルの音楽も余すところなく吸収して行く。

 
昔某アイドルグループ等のシングル曲のセレクトに携わっていた時、どう見ても私の仕事の実質的なタイムとデモテープのタイムが全く矛盾していることについて会議のテーブルに「問題案件」として持ち上がった。
勿論私にとってそれは何の問題もないことだったが、会社としては大きな問題だったようだ。

仕事は闇雲に真面目にやれば良いと言うものではない。要領の良さと時短の知恵があれば、その分多くの仕事を進めることが出来る。

 
私の場合の音楽の見極め方として(もうこれは時効なのでネタバレ含む)のコツは、先ずイントロのコード~Aメロの駆け上がり方を視る。ここで大体の楽曲のインプレッションや音速(これは私が思う感覚を用語化した単語)を見極める。
次にAメロの解決を視ずに先にBメロ~「サビ」を聴く。次に1コーラス目のラストを確認したら、次は概ね曲の中間部に出て来る間奏前の「中サビ」に突っ込んで行く。

概ねここで曲の全容を把握出来るので、仮に一曲3:45のタイムの楽曲を診断するに必要な全タイムは何と30秒から多くても60~80秒で済む。
例えばこのプロセスで100曲のデモテープをチェックするのに真面目に聴いていたら「300min (about 5時間) 」のタイムが必要な作業を、私なら90min~120min、つまり多く見積もっても2時間弱でこなして作業場を引き上げることが出来る。

要はこの分量のミスマッチが社内の会議で問題となった‥ と言う話し。だが如何せん当時の私の仕事(社員ではなくアルバイトの分際ではあったけど)はほぼ完璧だったので、結果的に誰も私に「お咎め」を刺すことが出来なかった。
めでたしめでたし‥ じゃなくて(笑)‥。

 

勿論心底気になった楽曲のみ、フルサイズで試聴する。さらに好きになって惚れ込んだ曲であれば、何度も何度も聴き返して行く。
映像記憶のみならず音の記憶が私の場合、超越している為、大体2回から3回も聴けば楽曲全体を記憶し保管することが出来る。難点を挙げれば「飽き」が早々に訪れてしまうことだろうか。

 


音楽の日。今日、新しくプレイリストを立ち上げた。
本当は「秋」、つまり9月から11月までの楽曲で一つのプレイリストに仕上げる予定だったが、それが不可能になるくらい多くの楽曲が手元に集まってしまった為、前プレイリストから新プレイリストに内容を引き継ぎながら振り分けた。

 

前プレイリストは此方 ⇩

 

先々週辺りから新譜全体がとてもダークな色合いへと、変化し始めた。それは「秋」を意識していると言うよりも、先行きの見えない不安を抱えたミュージシャン等が表現の矛先や方向性を見失った現象とも一致しているように感じる。

比較的ブライト感(陽気さ)を維持しているのがイタリアン・ポップスだったりブラジリアン・ミュージックだったりする。
中でも私が好きだったのが、Didier Sustracの “L’ Amour ça nous travaille“、そして Ornella Vanoniの “Tu Me (con Virginia Raffaele)” だった。

 

 
良い音楽は時空を超える。だが悲しいことに、歌詞、声のあるものの命は短いのも又事実だろう。

地球人は同じ地球人の声質にノスタルジーを感じるし、プレアデス人はやはり同じ種の声質に郷愁を感じるだろう。そう考えると「声」を用いた音楽が時空を超えて拡散して行くことは、想像以上に至難の業である。
だから私は「声」の世界を退き、「音」に全てを賭けて生きている。

 
そう言えば二週間程遡るだろうか。とあるSNSのメッセンジャー経由で私が粛々と進めている「民族音楽の研究」について、質問のメールが寄せられた。あらたまったご挨拶の無い簡略的な、言ってみれば「今どきの若者」のメールと言った感じで質問も大雑把で、何より私に興味が全く無さそうな内容であった(笑)。
そういう無礼な人間に対しては、私も無礼な対応で返すことに決めている。相手がガチ(真剣)で私に興味があれば、私がどれだけ無礼な返信を返したとしても相手の方が食い下がって来るだろうし、此方の無礼な返信で途絶えるメールであればそれ以上引き延ばす必要も無いだろうし。

 

権威に全く縁のない私の研究、と言っても私が突き進んでいる道の後に人は誰も居ない。
クラシック音楽と民族音楽、~アンビエント・ミュージックやDub Techno、Lo-Fi Chill Music等の全ての音楽をクラシック化し、糸で輪っかにして繋げて理論化して行く作業を他に誰がやっているだろうか?
前人未踏の研究に権威等、必要ないのである。

だが多くの若い人たちは内容よりも「権威」の方を必要としており、中身が薄っぺらであってもそのことには気付かないのだから手に負えない。

 

何れ世界中の音楽人口が激減する時が来るだろう。その時になって、あれがない、これがなくなった‥ 等と言って私に泣き付かれても、今この瞬間の私をルックダウンしている人々に掛ける言葉を私は持ち合わせていないし、その必要もない。
その時が来たら是非とも、存分にお困りあそばせ。

 

と言うわけで、この記事の最後に今日出来たてほやほやの新プレイリストを貼って、〆とさせて頂きます。
ご清聴ありがとう御座います。