既に他界した日本のカンツォーネ歌手 後藤啓子さんよりご紹介頂いた、イタリアのシンガーソングライターのセルジォ・カンマリエーレの新譜がお目見えした。
暫く息を潜めていたのでどうしたのかと心配していたが、意外に元気そうで安心した。
良くも悪くも「変化しない」歌手(兼 作曲家, ジャズピアニスト)の新譜は、「安定」の一文字で評価出来るだろう。
この「変化しない」ことが意外に難しい。多くのシンガーソングライターや歌手が過剰なまでの変化を模索したがるが、リスナーはそれを案外望んでいないものなのだ。
その辺りを(多分彼自身は計算などしていないだろう‥)見事に突いて来る辺りに、むしろ本物を感じる。

王道循環コードで全編塗り潰してはいるものの、セルジォ独特の風通しの良さはむしろ彼のヴォーカル力の無さが為せる技。
下手で素人臭いからこそ醸し出せるこの、風通しの良さを今後も徹底して貫き通して欲しいものだ。
オススメはM-6: “se tu non mi amerai” ~以降の流れ。

“[音楽評論] Sergio Cammariere – “Una Sola giornata”” への1件のフィードバック
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