K-Popの頂点近くを疾走するガールズグループ『LE SSERAFIM』が2023年7月25日に、新曲『ジュエリー (Prod. imase)』の配信を開始した。
これまでの彼女たちは「戦い」「プロセス」「傷跡」「凶暴性の片鱗」を掲げながら、半ば傷だらけの半身を生々しく露出するようなスタイルで新曲をリリースし続けて来た。
だが新曲『ジュエリー (Prod. imase)』で、そのスタイルを完全に翻して来た。それがある意味唐突で不自然に感じるのは、私だけではないだろう。
夏の神曲と言えば、私の中ではNMIXXの『Roller Coaster』、そしてNewJeansの『ETA』だ。
双方共に「爽やかさ」と少女性を全面に出した、弾け感満載のサマーソングと言っても良い出来栄えに仕上がっている。
そこに割って入ろうとするように7月25日、LE SSERAFIMが『Jewelry (Prod. imase)』を突っ込んで来た形になる。
そもそもLE SSERAFIMは「底から這い上がって戦い抜いて勝利と権利を勝ち取る」と言う様なストーリー性を売りに、今日までファンをその気にさせて来た存在。それがここに来ていきなり「爽やか疾走系ソング」に舵を切り替えて来た本当の理由は、恐らくNewJeansの新たな「体に負荷を掛けない歌唱表現」とNewJeansの持つ天性の少女性や天使性に対し、現在のLE SSERAFIMの企画では追いつくことが難しいと踏んだからではないだろうかと私は推測している。
新曲『ジュエリー (Prod. imase)』には、ライバルのガールズユニット『IVE』が度々用いているRAPも挿入されており、言ってみれば「売れてるK-Popの幕の内弁当」の様相を呈している。
これでうさぎの長い耳の付いたかぶりものとモフモフのリュックでも背負ってステージに出て来ちゃった日には、もう誰もがNewJeansのもろパクリと思うに違いない。


LE SSERAFIMの新曲『ジュエリー (Prod. imase)』の作曲を手掛けたアーティスト imase にスポットを当ててみると‥。
「TikTokから飛び出した現在21歳のミュージシャン」と言うこと以外に、未だ活動経歴が浅いのか余り多くの情報がヒットしない。
肝心な彼の楽曲を捲ってみると、たまたま『Nagisa(MV)』がヒットしたので聴いてみる。
よくあるシティーポップに米津玄師と藤井風を20グラムずつ足して混ぜこぜにして、5で割ったような作風を得意とするようだが、表現力は今一つ。声質に特に目立った特徴も見当たらない。
恐らく彼に関わっているエンジニアの力量が際立っており、それなりの商品として辛うじて仕上げて来たと言う印象しか感じない。
かと言って藤井風ほどの毒性や脂っこさも無いので、中途半端に脂ぎった家系ラーメンを最後の最後で完食出来なかったランチタイムのような、苛立ちだけが後を引く。
正直LE SSERAFIMが何故この時期に、imaseのような弱々しく個性に乏しいミュージシャンに楽曲提供を依頼したのか‥。
実は表層の「快挙」の看板の裏に悲痛な商業合戦の深い爪痕が尾を引いているのではないかと、憶測せざるを得ない。
確かにLE SSERAFIMの前作『Eve, Psyche & the Bluebeard’s wife』では難易度の高い振り付けと新しい歌唱法で、多くの観衆を惹き付けた彼女たち。
それまでの「戦って勝ち取る権利」を得た感が拭えなかったが、足ることを知らない彼女たちはさらに多くのものを欲しがっているのか‥。
人間、欲しがり過ぎると必ずいつかどこかで、その代償を背負わざるを得なくなる。その意味では今のLE SSERAFIMは、例えるならば「K-Popバブルにハマった裸の女王」とも言えそうに思えて来る。
そんな裸の女王ぎりぎりのラインに立っている致命的とも言えるLE SSERAFIMの新曲『ジュエリー (Prod. imase)』の楽曲動画(ほぼ静止画)を、この記事の最後に貼っておく。
思うにこれは事故かトラブルかの何れかが起きたのではないかと、私は見ている。どんなにあがいても、可憐で清純で、どんなに汚しを加えてもものともしないNewJeansの5人の清潔感には勝てる気がしない。
なのにLE SSERAFIMの関係スタッフの中でだけ、得体の知れない勝算を感じているように見えるから。
歌詞は ⇨ ココ ⇦ からご覧下さい。













