Last Run – 才能と崩壊 (旧NewJeans)

ひとつの時代が終わろうとしている。
未だ終わりと決まった訳ではないが或る活動が否応なくラストランへと移行し、それはもう中盤を迎えている。

予感と予言は時に、同一線上に位置する。どれがどちらかと言う客観的な推察を飛び越えて的にはいきなり光が当たり、急速に光を放ち始める。
この現象は輝きの歴史に常について回り、風潮のシフトを先導して行くから不思議だ。

少し話は脱線するが私の家系が法律関係だと言うことに加え、過去世リラ星最後の巫女として生きた時代から私は少なからず「法律」に関わり、その観点からの未来の洞察を欠かしたことがなかった。
今回旧 NewJeans (現 jeanzforfree) は輝きと変化と崩壊の全てのラインをくっきりと描きながら、ラストランを急激に加速させている。あれだけ輝き、五人全員が各々の才能を持ち、各々が独自の光を放っていたにも関わらず彼女たちは正々堂々と法を犯し、それを顧みる精神を手放してしまったようだ。

勿論何もかもを法律に当てはめること等出来ないことは重々承知の上で、それでも五人が一線を踏み越えてしまった事は事実だ。
 


大きな仕事には大きな代償も付きまとうし、それを背負わなければ大役の側が巡って来ないことも又、皮肉だが真実だ。
彼女たちのラストランを象徴するような動画 “NewJeans (뉴진스) – ‘Intro + Supernatural (Attention Mix) + How Sweet’ ♪ | JTBC 250106 방송” を私は、何度も悲痛な心境で見つめている。
 
※上記の画像は現在、日本国内からの閲覧が出来なくなっています。
 

お世辞抜きに五人のパフォーマンスは素晴らしいし、個人的な推しの一人であるハニ (Hanni) の作り笑顔が消えたガチな表情も美しい。
ハイスピードで進んで行くダンスソロから全員が出揃って激しいダンス・パフォーマンスを繰り広げて行く辺りは圧巻で、彼女たちの現在のネガティブな状況さえなければ手放しで褒め称えたい、圧巻のパフォーマンスだ。

だがこの圧巻な光景の背景には事務所 ADOR の協力が潜んでおり、ADORの後押しなしには実現し得ないことも又事実である。が、彼女たちがそのことを心の中では実際にどう思っているのかについては、今のところ判然としない。

私も過去には別の五人組の活動に関わっていたし、良くも悪くも「事務所」やイベント会社がどのような仕事を担っているかについても熟知している。その観点を表現者サイドは絶対に持つべきだと感じるし、内情はどうあれ大掛かりな仕事とは表現者サイと事務所サイドとのタッグなしには成立し得ないのだ。
 


何より旧 NewJeans がここまで成功を収めた本物の立役者は、作曲・作詞・編曲を担当した多くの音楽家たちである。音楽あっての旧NewJeansは東京ドームの公演を睨み始めた辺りから、本物の立役者の存在をすっかり忘れてしまったことは誠に残念である。

旧NewJeans までの既存のK-Popを完全に塗り替えたもう一人の立役者として、旧プロデューサーであったミン・ヒジン氏の存在は大きかっただろう。だがヒジンもどこかの時点から音楽よりもビッグビジネスに目的がすり替わり、最終的には自身の利益が最優先 (場合によっては旧 NewJeans を犠牲にする) の人へと変貌を遂げたように見える。

ミン・ヒジン、旧NewJeans、そしてADORの全輪が同期しなければ絶対に動かせない車 旧NewJeans はその全輪を失い、ましてやグループで唯一外国国籍を持つハニ (Hanni) のビザ問題がそこに覆いかぶさっている今、今後の活動に於ける希望の光は全く見えなくなった。
 


奇跡的な輝きは、言うなれば宇宙規模のプログラムが奇跡的な同期を遂げた時に初めて放たれる。それは歴史のほんの一瞬の出来事に過ぎず、輝きを浴びた人たちはその輝きをどのようにして延命させて行くかに於いて深い熟慮が求められる。
だが多くの人たちはそれらの輝きが自身の才能によって放たれたのだと勘違いし、傲慢なマインドに陥ってしまう。
 

旧NewJeans の背後にもしも一瞬でも輝きの女神がほほ笑んでいたとしたら、今女神はどのような心境で五人 (ミン・ヒジンを含めると六人) を見つめているだろう‥。
私にはとても悲しげで絶望的な心境に在る女神の後ろ姿が時折透けて見え、胸が張り裂けそうだ。
 



そして以下は、NewJeansの未発表曲Demo音源になります。
 

 

 

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[音楽評論] “ジュエリー (Prod. imase)” – LE SSERAFIM

K-Popの頂点近くを疾走するガールズグループ『LE SSERAFIM』が2023年7月25日に、新曲『ジュエリー (Prod. imase)』の配信を開始した。

これまでの彼女たちは「戦い」「プロセス」「傷跡」「凶暴性の片鱗」を掲げながら、半ば傷だらけの半身を生々しく露出するようなスタイルで新曲をリリースし続けて来た。
だが新曲『ジュエリー (Prod. imase)』で、そのスタイルを完全に翻して来た。それがある意味唐突で不自然に感じるのは、私だけではないだろう。
 

夏の神曲と言えば、私の中ではNMIXXのRoller Coaster、そしてNewJeansのETAだ。
 

 


双方共に「爽やかさ」と少女性を全面に出した、弾け感満載のサマーソングと言っても良い出来栄えに仕上がっている。

そこに割って入ろうとするように7月25日、LE SSERAFIMが『Jewelry (Prod. imase)』を突っ込んで来た形になる。
 
そもそもLE SSERAFIMは「底から這い上がって戦い抜いて勝利と権利を勝ち取る」と言う様なストーリー性を売りに、今日までファンをその気にさせて来た存在。それがここに来ていきなり「爽やか疾走系ソング」に舵を切り替えて来た本当の理由は、恐らくNewJeansの新たな「体に負荷を掛けない歌唱表現」とNewJeansの持つ天性の少女性や天使性に対し、現在のLE SSERAFIMの企画では追いつくことが難しいと踏んだからではないだろうかと私は推測している。
 
新曲『ジュエリー (Prod. imase)』には、ライバルのガールズユニット『IVE』が度々用いているRAPも挿入されており、言ってみれば「売れてるK-Popの幕の内弁当」の様相を呈している。
これでうさぎの長い耳の付いたかぶりものとモフモフのリュックでも背負ってステージに出て来ちゃった日には、もう誰もがNewJeansのもろパクリと思うに違いない。
 

 


LE SSERAFIMの新曲『ジュエリー (Prod. imase)』の作曲を手掛けたアーティスト imase にスポットを当ててみると‥。

「TikTokから飛び出した現在21歳のミュージシャン」と言うこと以外に、未だ活動経歴が浅いのか余り多くの情報がヒットしない。
肝心な彼の楽曲を捲ってみると、たまたま『Nagisa(MV)』がヒットしたので聴いてみる。

よくあるシティーポップに米津玄師と藤井風を20グラムずつ足して混ぜこぜにして、5で割ったような作風を得意とするようだが、表現力は今一つ。声質に特に目立った特徴も見当たらない。
恐らく彼に関わっているエンジニアの力量が際立っており、それなりの商品として辛うじて仕上げて来たと言う印象しか感じない。
かと言って藤井風ほどの毒性や脂っこさも無いので、中途半端に脂ぎった家系ラーメンを最後の最後で完食出来なかったランチタイムのような、苛立ちだけが後を引く。
 


正直LE SSERAFIMが何故この時期に、imaseのような弱々しく個性に乏しいミュージシャンに楽曲提供を依頼したのか‥。
実は表層の「快挙」の看板の裏に悲痛な商業合戦の深い爪痕が尾を引いているのではないかと、憶測せざるを得ない。
 
確かにLE SSERAFIMの前作『Eve, Psyche & the Bluebeard’s wife』では難易度の高い振り付けと新しい歌唱法で、多くの観衆を惹き付けた彼女たち。
それまでの「戦って勝ち取る権利」を得た感が拭えなかったが、足ることを知らない彼女たちはさらに多くのものを欲しがっているのか‥。
 


人間、欲しがり過ぎると必ずいつかどこかで、その代償を背負わざるを得なくなる。その意味では今のLE SSERAFIMは、例えるならば「K-Popバブルにハマった裸の女王」とも言えそうに思えて来る。

そんな裸の女王ぎりぎりのラインに立っている致命的とも言えるLE SSERAFIMの新曲『ジュエリー (Prod. imase)』の楽曲動画(ほぼ静止画)を、この記事の最後に貼っておく。

思うにこれは事故かトラブルかの何れかが起きたのではないかと、私は見ている。どんなにあがいても、可憐で清純で、どんなに汚しを加えてもものともしないNewJeansの5人の清潔感には勝てる気がしない。
なのにLE SSERAFIMの関係スタッフの中でだけ、得体の知れない勝算を感じているように見えるから。
 

 

歌詞は ⇨ ココ ⇦ からご覧下さい。

発想の転換 [NewJeans(뉴진스) – Ditto / Plastic Love (Citypop ver.)]

これは恐らく二次創作にカテゴライズされる代物かもしれない‥ としても、その中でも面白いことを考える人が居るものだ。

バッキング(伴奏)は竹内まりやの「Plastic Love」のKeyチェンジされたオケ、ヴォーカルのラインがNewJeansの「Ditto」
何とも荒業なのに、これが妙にマッチするのはひとえに「Ditto」のメロディーが頑丈に出来ているからだろう。
 
「Ditto」と言えばさっき、偶然ではあるがBoysチームのダンスカバーの動画を見つけた。
動画配信者であるチームのTKBzを少し調べてみたが、詳しい情報を探し出せなかった。
 

 
男性が女性のモノマネをする時、往々にして女性的な仕草の部分だけを若干長めのTimeとオーバーアクションに転じることが多いが、彼等TKBzや最近私が推しているおじさんチームのODOOJIもそこをキュートな笑顔と手の「にゃん‥」ポーズ等で小気味好い表現に抑え込んでいる辺り、両者一歩も引けを取らないクオリティーだ。

言うなればこれは現代人の感性の兆候として、段々と感覚(感性)の男女差が縮まって来た現象の一つと言えるかもしれない。
 

 
このところ音楽紹介や音楽評論の発信が上手く出来ていないと感じているが、その要因の一つとして、特に2020年の秋以降世界の良質な新譜が激減していることが挙げられる。

それまでの過熱気味の配信が新型コロナウィルスに端を発するパンデミックや、各地で勃発したコロナ規制等の要因で、それまでコンスタントに活動していたアーティストやミュージシャン及びバンドやユニットの活動にも同時に制限が生じたからだろう。
世界各国で楽曲やダンスのカバー動画が増えた要因も、恐らくこの辺りにありそうだ。

自らものを考え生み出す思考サイクルが、私も含めこの数年間で圧倒的にかき乱された感が拭えない。
‥ならば手っ取り早く誰かが作った作品をカバーして、それをアーティスト等が生存証明代わりに代用したとしてもそれはそれで文句は言えない‥。

大のカンツォーネ好き、Dub好きの私が特に昨年初頭から良質な新曲に出会えなくなり、最近ではもっぱらNewJeans周辺の動向調査に集中している私‥。
先週も今週も、そもそも好きだったイタリア~スペイン周辺からの新譜は皆無だ。

その代りにアジア周辺が賑やかだ。
 

 
世界中が春を探し求めている、2023年。
だが、良かった頃の春はもう二度と訪れないだろう‥。

コロナが全てを変えたのではなく、そこに至るまでの人類総勢のアクティビティーに要因が潜んでいる。
私たち人類は、やりたいようにやり過ぎたのだ。だから大気が汚れ、多くの木々が伐採され、それにともない地球全体の環境のバランスが大きく乱れ、水温は上昇し四季のサイクルが壊れてしまった。

昔のような四季を再び取り戻すには、行動と祈りの両方の側面から調整を進めて行かなければならないだろう。
この両輪が揃わなければ恐らく、地球は自らの意思で破滅の未来へと進んで行く。誰かが何とかしてくれる‥のではなく、各々が自分の意思で地球の意識と向き合って対話をしながら、地球のモチベーションを再度向上させる為の手助けをする必要がある。

その為には静かな音楽、静かな時間、澄んだ空気を地球上のテクノロジーの力を借りながら創造~リサイクルし、昔の人類が地球の環境に深く励まされ癒されたように、次は人類がその逆の作用を地球の意識に向けて発信しなければならない。

さて、この記事の最後に、タイトルチューンのNewJeans(뉴진스) – Ditto x Plastic Love (Citypop ver.)の動画を貼っておく。
これはあくまで「発想の転換」とでも言うべき、人や意識の繋がりを疑似的に言い表すように、2つの楽曲を組み合わせて音源をリサイクルしている一つの例と言えるだろう。

視方を変えると非常に暗示めいた‥ とでも言うべき内容で、同じ借り物同じ二次創作でも、こういうやり方があるのだなぁと勉強させられる。

80年代の日本のシティポップと現代の若きK-POPのニューフィエイスとの、香しい遭遇とでも言うべきハイブリッド・ミュージックである。
 

 
追記:
上記の動画NewJeans(뉴진스) – Ditto x Plastic Love (Citypop ver.)を配信しているYeguguが、何と同曲を自身でカバーしている動画が配信されていた。
その空気感がとても軽やかで、何より音楽を心から楽しんでいる表情と飾り気のない歌声に好感度Max。

そちらもここに貼っておくので、是非お楽しみ頂きたい。