直感に勝るものはない。特に私の場合はいつも、それを痛感する。
神『建御雷神 (タケミカヅチ)』と知り合ったのは、前職で茨城県の海沿いのホテルのディナーショーでタンゴの伴奏を務めた時だった。
建御雷神が激しく、尚且つ少しハードボイルドな音楽を好まれるとは私もつゆ知らず、リハーサル中から鎧全体で地面を踏み鳴らすような音が会場全体に木魂した時は興奮したし、驚いた。あの日の歌手も霊感はないとは言え、流石に彼の足音には気が付いたらしく、ブルブル震えながらマイクを握りしめる手が汗ばんでいた。
古代の森の精霊等との共作として私は、『Ancient Forest』を配信している。丁度あれは3.11大地震の直前だった。
そしてこの作品が生まれる経緯については今日、正式にはここで初めて話すことだが、2015年1月30日にイスラーム過激派 ISILに殺害された後藤健二氏の御霊を思いながら作曲した曲が、『Vesper』だ。
この曲は私のアルバム『Wheel of Fortune』に収録されている。
他にも私は神々や死後の御霊等と交信しながら、多くの楽曲を生み出し、そして自ら演奏して配信して来た。
そんな大切な私の子供たちとも言える楽曲を、近々生のピアノで演奏する時が来るのを感じている‥。
私は大の人間嫌いだ。私が接近すると、皆壊れて行く。
彼らになくて私にだけあるものを皆、欲しがる。あいにく私は見た目が不美人なので、殆どの普通の人たちは私が「リラ星最後の巫女」だと言うことにも、私が持つ特異な人脈や人間関係のことを信じない。皆勝手に、そして頑固なまでに、私の見た目なりの低い評価を課して、ルックダウンに執着する。
だが少し話せば私が、他の人とは全く違う人間だと言うことを多くの場合感じるようだ。その途端、そこに居合わせた人の多くが壊れて行く。
なので私は前職を退いてから今日までの長い時間、人前で全く演奏しなくなった。だが、そんな引き籠りの私を外側に連れ出そうとしているのは、皮肉にもこれまで私の創作活動や人生そのものを支え、助けてくれた神々等だ。
私の生演奏が何をもたらし、どんな変化を起こして行くのか、神々は既に知っているらしい。
ならば、何を演奏すれば良いのか。しかもどんな場所で?‥
今は未だ何も分からない。なので大曲ではなく、コンパクトな楽曲を選んで、或いは大曲を少し小品に編曲し直しておかなければいけないと思い、この一週間でセトリを作る予定だ。
怪我 (ばね指が何度も再発して) で暫く練習を休まなければいけない期間が長引いたが、ようやくサポーターなしでもトレーニングが出来る状態に体も整って来た。
だが如何せん、数年前と比べると感性がかなり変化している。そもそもテンポの速い楽曲は得意ではなかったが、さらに減速の度合いが増している。
だが、それが今の私。よく言う「巨匠の速度」だと自分自身に言い聞かせながら暫し、生演奏のその時の為に楽曲を温めて行きたいと考えている。

