【前書き】
Didier Merahは自身が芸術家・表現者でありながら、他者の音楽作品を鋭く論評する音楽評論家である。
ただ他者作品を論評するのみならず、扱うジャンルの広さと鋭い分析の切り口は他に類を見ない。クラシックやK-Popからアンビエント、Dubやシャンソン、カンツォーネ、ファド、フラメンコからアジア全域のポップスや民族音楽に至る多くの音楽作品を脳内に保管し、その類い稀な記憶力は他の芸術家・音楽評論家に類を見ない程鮮明で正確だ。
台湾の歌姫 “Julia Wu”について
世界は狭いようで広い。あのウィルスだってあっという間に風に乗って上空を一周してしまうのだから、本当は地球と言う星は思っているよりも小さい惑星なのかもしれない。
音楽も然り。「アジア」と単語は一言だがその一言には括れない程音楽は多岐に渡り、特にK-Popに並んで台湾のポッポスもここのところクオリティーがメキメキ上昇している。
中でも私が注目している台湾ポップスの歌姫の一人がこの人、Julia Wu である。

「Julia Wu (born 6 October 1994) is a Chinese Australian R&B singer. 」⇦ と英語版Wikipediaにも表記されているように、彼女はオーストラリアン・チャイニーズのハーフのR&Bシンガーである。
台湾を拠点として活動している。
https://en.wikipedia.org/wiki/Julia_Wu_(singer)
ビロードタッチの甘い声質を武器とするだけでなく、各PV等にも見られるようにとても表情豊かであり、演技の才能を感じさせる。
彼女の存在を知ってから未だ日にちは浅いが、その中で私はかなり多くの彼女の作品に日々触れて来た。
中でも私が初に聴いたこの作品『精神分裂 Split』の中の、Julia Wu の演技は見事だ。
職歴には「R&Bシンガー」と表記されているが、最近はクリエイターとして多くの彼女自身の作品を自らの手で書き上げているようだ。
この作品『精神分裂 Split』のクレジット欄にも、以下のように表記されている。
詞 / 曲 Written by Julia Wu / 剃刀蔣RAZOR
⇧の動画も、私がとても好きなテイストの甘くせつないR&Bである。
メロディーメイクの一部にJulia自身が手掛けた箇所があるようだ。この作品では「作曲者」の欄に彼女の名前がクレジットされている。
低音部の発声がとても安定しており、尚且つ高音部に上昇してもその安定感だけで声を持たせて行く。けっして張り上げず、低音部の声の質感を維持したまま高音部に音楽を持ち上げて行く辺りはどこか、往年の吉田美奈子を呼び覚ます。
Julia Wu の最新作が此方、『sunset』。最近私が常に気にしている環境問題をそこはかとなく映像の中で取り上げながらも、ただの問題提起に収まらずそれを自己のエモーションと同期させながら淡々と描いて行く。
この作品も必見。⇩
本記事は『note』より移動しました。

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