今週のSpotifyの新譜を聴きながら

毎週末の金曜日、Spotifyからは世界各国の新譜が一斉に更新される。勿論私はSpotifyやインターネットを知る以前から日々世界中の新譜や旧譜等を聴き漁ること、かれこれそんな作業を数十年間続けている。
学生時代からTSUTAYAや新星堂等を巡り、気付いたら今年で57歳になっていた。16歳でいわゆる芸能界と言う世界に飛び込んだから、芸歴自体が40年をとうに超えた。

音楽を聴く人たちの大半が、「音楽とは音を楽しむことだ」と思っている。だが私は、それは違う思っている。

音楽を娯楽の玩具として使っている人たちを目の当たりにすると、どうにもこうにも虫唾が走る。身を削るようにして音楽を生み出している人たちは少なからずいる、それを使い捨ての玩具のように乱暴に扱っても平気で居る人たちの息を感じる度に、胸が痛む。


思うに音楽とは祭祀であり、祈りであり、そして救いであるべきだ。
勿論何によって救われるかについては人それぞれであるが、一度目標を下げてしまえば後はズルズルとその敷居が崩れ落ちるところまで下落するだけだ。
だから自身の敷居、ボーダーは絶対に低下させるべきではない。
 


この2年間、特にコロナ禍のロックダウンが世界各地で実施されるタイミングになると、世界中の音楽が泣き始めるか或いは凍り付いて行く。
まさに今週がその状態だったように感じてならない。

生きる為の音楽もあれば、祈る為の音楽もあるだろう。だが全体的に無表情の音楽が一斉に増えて、どこか廃屋で雑音だらけの機材を叩きながら音楽を聴いているような、言葉にならない虚しさが上空から私を羽交い絞めにして行く。

 

 

生まれて一度も泣いたことのない人に、「泣く」感触を伝えることはとても難しい。逆に生まれて一度も笑ったことのない人に、「笑う」感覚を伝えることも難しいだろう。

今週のSpotifyの新譜を聴いていて感じたことを一言で表すとしたら、「音楽家或いは音楽全体がAI化したような感じ」とでも言えば良いだろうか。
コミュニケーションに支障をきたした人類全体が感情面に不具合を起こし、その状態が未修正のまま数年が経過した後のような、エモーションの大きな欠落を感じるのだ。

だがそれは、商業娯楽としての音楽に人類が飼い慣らされた結果の顛末と言うことも出来るだろう。
「音楽とは音を楽しむことだ」と教えられ、その風潮を信じ込み、数十年もの歳月をかけながら洗脳され尽くした我々人類はもはや、自然の声や山々の思うことやそれらを司る神々の心の声すら聞くことが出来なくなっている。だからこれだけの長い分断を経ても尚平然と飛行機での移動を止めないし、遊ぶ為ならどんな苦痛をも受け容れようとするし、現実を全く見ようとしない。

生命と魂の輪廻を軽視し、瞬時瞬時の現世の中で味わい尽くせるだけの快楽を貪ろうとし、その為ならば危機的な環境破壊すら無視し続ける。それが2021年現在の人間と言う生き物だ。

 

 

良質な音楽とは何ですか?

この命題に対する答えを、おそらく誰も持てていないのだろう。
そこそこのルックスと運を手中に偶発的にメディアと言う檜舞台に駆け上がって行けた人が生み出すものが、それ(良質な音楽)だと思っている人たちも多いだろう。
上に書いた条件に当てはまる人たちはおそらく、「音楽を探す」と言う行動を取らないものである。近隣、隣近所の人たちやSNSやメディアや雑誌に取り上げられない音楽は二流・三流だ‥ と言って、実際に私に牙を剝いて来る人たちも大勢居る。
 

だが彼等のような人たちに限って、風向きにはひじょうに敏感である。
彼等の判断基準は常に自分以外の誰かが発信するレビューであり、自己判断の能力に著しく欠けているにも関わらず、命を削って音楽創作に挑んでいる本物を目の前にしても、その人を誰かが噂でもしない限りは「本物」とは見なさない。
勝ち馬を探すことに躍起になり、一度勝ち馬に乗ったが最後その馬を疑うことはなく、尚且つ頑なに馬から降りようともしない。

 

 

今週のSpotifyの新譜を私は、未だ全曲聴けていない。だが大方の流れは把握出来る。
虚無無気力絶望コミュニケーションの分断将来への不安、しいては自身の命の不安等を抱え込みながら、それでも何かしら音楽家たちは音楽を生み出すことで地球に己の生存を訴えかけて行く。

それでも彼等の作業に祈りの念は薄く乏しく、人類にとってこれだけ考える時間を膨大に与えられながらも、何かを深く考えて音楽を生み出しているようには視えない。

 
昨日外出先から帰宅してから、私も体調が良くない。体温が上下しているような感覚があり何度か体温を計ってみたが、高熱ではない。むしろ低体温による火照りが抜けて行かない。
こういう日は静かにしている他になさそうだ。それでも私は音楽を探し、音楽を聴き、音楽家たちの祈りに触れていたいと願うのだ。
それは一種の病気のようでもあるが、私にとってはこれが正常値。

 

 

当記事の間に挟んだのは、今日Spotifyの新譜情報に現れたものから楽曲だけをピックアップしたものである。
以下に今日更新した2種類のプレイリストを表示しておきたい。

上は「Lo―Fi」系のプレイリスト、下がオールジャンルの音楽をまとめたものになる。

 

  

⇩ 此方のプレイリストのトラック 55曲目からが、今週の更新分になる。
 

 

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