魂の帰還 2. [朝活]

暖かな何かが私の顔を撫でて行った。
暖かいだけで何も無い、不思議で久しい感触だった。

ほんの僅かな獣の臭い。それは一瞬だけ、この世に忘れ物を取りに還って来た彼の魂だ。
 


間もなく虹は消えて行く。
彼方まで渡り切ったうさぎの両脚が最後の七色を蹴り上げたら、夢が終わる。